機械学習向けメトリクストラッカー「Aspara」をOSSとして公開しました

2026年2月18日

株式会社PredNext(以下、当社)は、機械学習の学習過程で得られる各種メトリクスの推移を可視化する、オープンソース(OSS)のメトリクス可視化ソフトウェア「Aspara」を2026年2月18日に公開しました。

Asparaは、学習中の変化を素早く把握し、実験を後から比較・参照しやすくするためのダッシュボードです。

背景:AIモデルの大規模化に伴う実験ログの増大

近年のAI研究の進展により、最先端のAIモデルは、この10年で大幅に大規模化しています。モデルの大規模化に伴って学習が長期化し、1回の学習で生成されるログ(実験記録)も増える傾向にあります。

また、本番モデルの学習は計算資源や時間の面でコストが大きく、学習条件を詰めるために事前の試行錯誤が増えるケースもあります。

こうした背景から、実験ログを軽快に見渡し、必要な結果にすぐたどり着ける可視化・管理ツールの重要性が高まっています。

Asparaの特徴

機械学習の実験では、精度や損失などのメトリクスを追いながら、改善の方向性を素早く判断する必要があります。一方で、過去の実験ログの中から必要な結果を素早く見つけて比較できることも重要です。

Asparaは、実験ログの増大と実験数の増加に対応するため、次の2点の両立を目指して開発しました。

  • 実施中の学習を軽快に確認できること
  • 過去の実験ログを整理し、快適に調査・比較できること

常に軽快に操作できる画面

Asparaでは、ダッシュボードにデータを送る前に、サーバー側で間引き処理(ダウンサンプリング)を行います。これにより、データ量が増えても、画面の表示や操作が重くなりにくい設計です。間引き処理にはLTTBアルゴリズムを用いており、外れ値も捉えやすい形で表示できます。

タグによる整理と絞り込み

Asparaでは、1回の実験を「ラン」と呼び、ランは「プロジェクト」に所属します。ランやプロジェクトにはタグを付けられ、タグで絞り込みができます。

これにより、「どの観点で比較したいか」「この結果は何を意図したものか」といった情報を、後から参照しやすい形で残せます。

2つのダッシュボード(Web / TUI)

Asparaは、WebダッシュボードとTUI(ターミナル上で動作する画面)の2種類のダッシュボードを提供します。

  • Webダッシュボードでは、グラフでメトリクスの推移を確認できます
  • TUIダッシュボードでは、Webが使いにくい環境でも、結果を素早く確認できます

利用方法

AsparaはGitHub上で公開しています。どなたでも自由にダウンロードし、ローカル環境やオンプレミス環境で利用できます。

GitHub URL: https://github.com/prednext/aspara

今後について

当社は、1.0のリリースに向けて、画像アップロード機能など未実装の機能追加と、APIの安定化を進める予定です。あわせて、コミュニティからのフィードバックを取り入れながら、機能改善と安定性向上に取り組みます。

また、トラッキング用サーバーの運用負荷を軽減する選択肢として、SaaSとしての提供も検討しています。SaaSを提供後も、サーバー側も含めて、すべての基本的な機能は、OSSライセンスで提供していく方針です。

PredNextについて

株式会社PredNextは、AIを専門とするエンジニアリングの集団です。当社は、AIの可能性と現時点における限界を踏まえ、お客様の課題解決につながる形でのAI活用を提案します。「AIですべての問題を解決できる」と過剰な期待を抱くのではなく、お客様の課題の解決につながる最適な形でのAIの活用方法を提案いたします。